「お菓子の国に行って死んでください」発言…これは虐殺の議論のはずだが

そのいっぽうで、読んで気が滅入る発言もあった。しかもTBで来たもので。
昨日こういうTBをいただいたのだが、
http://d.hatena.ne.jp/hasenka/20060309

その中の一文は、タイトルもずばり「お菓子の国に行って死んでください」だった。(その後改題したらしい)
最後の一文に、同じ言葉が出てくる。

みんなでポールさんのようになろう!だなんて。何て甘っちょろい甘甘お菓子よ。そう人達はお菓子の国に行って死んでください。

(注;本エントリー公開後、上の部分は修正されたようだ)

まず指摘しておくが、誰も「みんなでポールさんのようになろう!」などと述べたりはしていない。町山氏も述べていない。だから誰に向かっての発言なのかわからない。おそらく、架空の人間への発言である。(今後はこういう言動に対して「わら人形打ち」と呼ぶことにする)
内容的にも(既にpavlushaさんが批判しているとおり)逆の極論に陥っているだけの一面的な意見である。
こういう問題だらけの内容のうえに、「死んでください」発言である。



それにしてもhasenka氏は、なんでわざわざ「お菓子の国に行って死んでください」と発言したのか。仮に気に入らない相手や意見があるからといって、「死んでください」いう言葉をこの議論で発するか? (言うまでもなくこの議論の題材は「虐殺」である。それを鑑みれば、この発言の異常さは際立っている。)
それとも、「死んでください」と言い放つことで、自分の優越性を確認したかったのか。
あるいは刹那的な感情の昂りによる、パフォーマティブな「煽り」発言だったのか。でもそれって党派的振る舞いの極地じゃないの?


さらに驚いたのだが、このエントリーに対してブックマークで「支持」を公言する人がいる。よくみるとBigBang 氏である。頭を抱えるしかない。

2006年03月09日 lazarus_long 『[ブログ]言い切りましたね(笑)』
2006年03月09日 BigBang 『[ホテル・ルワンダ]支持します』

http://b.hatena.ne.jp/entry/http://d.hatena.ne.jp/hasenka/20060309/p2


lazarus_long 氏の『[ブログ]言い切りましたね(笑)』という発言は真意がつかみきれないので判断を留保するとして(ただ「死んでください」という言葉への言及なのは確かだろうの可能性はある)、BigBang の「支持します」という言葉をどう受け留めたらいいのだろう。
この議論で「死んでください」という物の言い方も許される、という考えなのだろうか。それとも「死んでください」と言い放つことで、自分の優越性を確認したい「気分」を共有しているのか。
それとも「煽り」行為と認識しつつ支持を表明しているのか。

ともあれ、この議論の最中に「死んでください」と言い放つ発言が出てきたこと、それを支持する発言がでてきたことは、(パフォーマティブな「煽り」であれ個人の感情の表出であれ)、どんなに割り引いて考えても、やはり尋常ではなく、憂うべきことだと思う。