全文転載を思いついた理由、または集団シャドーボクシングに対するコメント


なぜ、町山智浩氏の「ホテル・ルワンダ」パンフ所収「彼でなければダメだった− テリー・ジョージ監督の賭けに見事に応えたドン・チードル」の全文転載を思いついたか、説明します。


私が問題としたのは、ほとんど元テキストを読むという、最低限の手続きを欠いたまま進行している「騒ぎ」に潜む暴力性でした。読んでいない人間によって「架空の元テキスト」が作られ、それが批判される状況、それは集団シャドーボクシングとも言えますが、これが町山氏にとってどれだけ暴力的な状況であるか、想像すべきではないでしょうか。


そういう暴力的状況を脱し、本来あるべき言論状況をつくりだすには、最低限「彼でなければダメだった− テリー・ジョージ監督の賭けに見事に応えたドン・チードル」の全文掲載が必要だと考えました。幸い、町山氏の承諾を得て、全文転載に至りました。


これは、集団シャドーボクシング的状況に対する私のささやかな「抵抗」の実践であり、同時に、ネット上の情報だけで議論してしまう多くのブロガーへの、一つの警鐘のつもりでもあります。もちろん、そのブロガーの中には自分自身も含めるのですが。